USオープンテニス、グリーンに

いよいよ終盤にさしかかったUSオープンテニス。
実は、エコにとっても力を入れているイベントだってこと、ご存知でしたか。

運営母体である米国テニス協会は、2008年にUSオープンをグリーンなイベントにすべく活動を開始。
2年目となる今年はさらにエコ度を強化し、「グリーン・イニシアティブ」と称して、環境NPOの「天然資源保護協議会(NRDC)」、環境コンサルティング会社「環境資源管理(ERM)」の協力のもと、さまざまなエコな取り組みを行っています。

まずは、エネルギー。
会場で使用される電力は100%風力発電。
USオープンの公式ウエブサイトの運営のために使用されるサーバーは、昨年の60台から今年は1/10の6台に削減。これにより、エネルギー消費量は40%削減したそうです。

そして、電車やバスでの来場を促すため、毎日125人に4.5ドル分のメトロカード(ニューヨーク市内電車乗車券)が当たるキャンペーンを展開。
大きなイベントだからこそ、化石エネルギーであるガソリンを動力とし、環境や人体に悪い影響を及ぼす排気ガスを出す車の使用率は、できる限り削減しなければなりません。

リサイクル・プログラムとしては、回収率100%を目指すべく、会場内のペットボトルや缶のゴミ箱すべてをリサイクル専用ゴミ箱に変更。
また、大会で使用されるテニスボールはおよそ6万個にも上るそうですが、使用されたボールはすべて、同会場で行われる別のイベントで再利用し、その後、地域のテニスプログラム、若者向けのテニスプログラムにも寄付されます。ボールが入っている缶およそ1万8000-2万個も全てリサイクルするそう。

紙のリサイクル率も大幅増加。
会場内の飲食店で使用される紙ナプキン、240万枚すべてに90%リサイクル紙を採用。
10万枚のカタログ、33万枚のドローシートは、FSC認証済30%リサイクル紙。その他、チケットは30%リサイクル紙、トイレのペーパータオルは40%リサイクル紙、などなど紙のリサイクル率向上にはかなり力を入れています。

飲食店では、提供する紙皿や紙コップなどに生分解可能な素材を採用、使用後の調理用油はバイオディーゼルにリサイクルするよう提供、地元産のオーガニック食品を増やし、会場内の2つの飲食店では、生ゴミコンポスト(堆肥化)を実行しています。

そして、会場内店舗や公式HPで販売されているグッズもエコ化。
「USオープン・オーガニックコレクション」と称して、ペットボトルをリサイクルした素材で作られた帽子などを販売。
中でも注目なのが、100%オーガニックコットン製のUSオープン記念Tシャツ。ファッションデザインの準学士号を持ち、一昨年デザイナーとしてもデビューを果たしたヴィーナス・ウィリアムズがデザインしているとあって、話題を呼んでいます。

毎年70万人もの観客が訪れる巨大イベント、USオープン。
環境に大きな影響を与えるイベントだからこそ、環境負荷を減らすための努力が必要なのです。
イベントを訪れる私たちも、環境に配慮してスポーツを観戦すれば、気持ちはさわやか、楽しみも倍増すること間違いなし。
残りわずかのUSオープン、エコフレンドリーに楽しみましょう!

US Open
ウエブサイト:http://www.usopen.org/

2009/09/08

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