メイシーズ、アマゾン、シアーズ、マックススタジオ、バンブー繊維の虚偽表示で罰金126万ドル

bamboo

メイシーズ、アマゾン、シアーズ、マックススタジオの4社が、バンブー繊維に関する虚偽表示により、合計126万ドルの罰金を支払うことに同意しました。

竹を原料とする繊維には、バンブーリネンとバンブーレーヨンがありますが、ここでバンブー繊維と言っているのは、バンブーレーヨンのこと(詳しい違いはこちら)。

エコファッションが浸透し始めた2005年頃、バンブーレーヨンは、成長の早い竹を原料としているため環境にやさしい、と言われていました。
さらに、バンブー繊維はやわらかくて肌触りが良いとか、生分解性があるとか、抗菌性があるといった効能を謳う企業まで出てきました。

ところが、研究機関が調査したところ、バンブーレーヨンの環境優位性は疑わしいということが分かってきたのです。

こうした疑問の声が次第に大きくなってきたため、2009年に米連邦取引委員会がこの問題に介入。
バンブーレーヨンを専門に扱うアパレルブランド4社を、虚偽表示で摘発しました(詳しくはこちら)。

バンブーレーヨンがエコでない理由

理由のひとつは、たとえ原料が竹であっても、製造工程はレーヨンとまったく同じなので、表記上「レーヨン」としなければならないこと。

もうひとつは、レーヨンの製造工程では有害物質を使用するため、たとえ原料が竹であっても環境にやさしいとはいえないこと。

さらに、繊維になった後に原料を特定するのは難しいことや、抗菌性など本来竹が持つ効能は確認できなかったこと、レーヨンは短時間で生分解しないこと、などが理由として挙げられました。

そして、竹が原料であることを科学的に証明できる場合に限り、「バンブー製レーヨン(rayon made from bamboo)」と記載することが許可されました。

結局これらのアパレルブランドとは和解に至りましたが、その翌年には再び、今回罰金を受けた4社をはじめ、ギャップ、バーニーズ、サックスフィフスアベニュー、ブルーミングデールズ、ウォルマート、ターゲットなど、大手企業78社に同様の内容で警告を発しました。

その後、多くの企業で改善が見られたものの、4社は依然バンブー表記の製品を販売し続けたため、今回の罰金に至ったのです。

45万5千ドルの罰金を課されたアマゾンは、ベビーベッド用のシーツに「100%オーガニックバンブー」と記載。
バンブーリネンならまだしも、バンブーレーヨンでオーガニックであることはあり得ません。
さらに、ベビー用ブランケットにも「100%バンブーニット」と記載していました。

47万5千ドルの罰金を課されたシアーズは、「ピュアファイバー100%バンブー」「バンブーシーツセット」「55%バンブー45%コットン」などを表示。

25万ドルの罰金を課されたメイシーズは、「バンブー」と表記された製品に「無敵の性能のコットン&バンブーブレンド」などと表示。

8万ドル罰金のマックススタジオは、「繊細でエコフレンドリーなバンブー&シルク繊維」と表記。

金額は、違反する商品を販売していた期間と販売量により決定されたのだそう。

繊維だけでなく、どんな製品でも環境にやさしいかどうかの判断は難しいもの。
自分なりに研究することは大事ですが、なにより、必要ないものを買わないことが最も環境にやさしいといえるでしょう。

FTC
ウエブサイト:http://www.ftc.gov/

2013/01/21

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