エコだけどうるさいサンチップスの袋、
大論争の末に改良版が登場

sunchips
(Photo by inju)

フリトレー社が、生分解可能な新エコ包装のサンチップスを発表しました。

実は、サンチップスのエコ包装は09年に登場したのですが、発売以来、"エコなのはいいけど袋をさわったときの音がうるさい"と、ネットを中心に大論争が巻き起こっていました。

フェイスブックではこの件に関するさまざまなコミュニティが立ち上がり、「悪いけど、サンチップスの袋のせいで言ってることが聞こえない(SORRY BUT I CAN'T HEAR YOU OVER THIS SUN CHIPS BAG)」コミュニティには、5万人以上のユーザーがお気に入りに追加。
その他、「サンチップスの新包装はとにかくうるさすぎる!(The new SunChips bag is just too loud!)」や「サンチップスのうるさい新包装のせいで地球が嫌いになる(New, noisy SunChips bags make me hate the Earth)」といった同じようなコミュニティがあちこちに作られ、多くのメディアでこの騒動が報道されました。


騒動の火種となった投稿ビデオ

こうした批判を受け、フリトレー社は昨年10月、6種類のフレーバーのうち"オリジナル"以外の5種類を、元のエコではないけれど静かな袋に戻してしまいました。

袋の音がかなりうるさかったのは事実ですが、我慢できないほどの音量ではありませんし、他の容器に移して食べれば何の問題もありません。
元の袋に戻して何百年も生分解されずに海や土の中に残るよりは、多少の騒音は我慢すべきではという意見も多く、消費者は心から不満を言っていたわけではなく、むしろこの騒動を面白がっていた節があります。

それなのに、同社が"うるさいエコ包装"から"うるさくないがエコでない包装"に切り替えてしまったため、新たな議論が沸き起こりました。
同社のこの決断の理由は騒音ではなく、エコ包装発売以来売上が11%減少した(SymphonyIRIより)ことが原因だろう、やはり環境より売上重視なのか、という批判の声が起こり始め、今度はフェイスブックで「サンチップスのうるさい袋を取り戻そう(Bring Back the Loud SunChips Bags)」コミュニティも出現。

という具合に、この1年半の間、サンチップスの袋をめぐってアメリカ中が大騒ぎしていたのです。


サンチップスの新「静」エコ包装

静かでエコな新包装

その間フリトレー社は研究を重ね、ようやく生分解可能でかつ静かな袋の開発に成功しました。

サンチップスのエコ包装は、商品名などが印刷されている外部の層と食品を保護する内部の層、その二つを貼り付けるための中間層という3層構造になっていますが、真ん中の糊の役割をする層がうるさい音を生み出していたことが判明。
その部分の素材を改良することで、新・静音エコ包装が生まれたのだそう。

まだ新包装は店頭には出ておらず、旧包装との比較や生分解の意味を説明するビデオ(上の映像)や、新旧包装を並べて消費者の意見を聞いているビデオをユーチューブや同社サイト上に公開し、まずは新「静」エコ包装に対する市場の反応を伺っているようです。

そもそも、音の問題より重要なのは、この包装の環境優位性。
一般的なスナック菓子の袋は延伸ポリプロピレンという素材が使われており、生分解されるには長い長い時間がかかります。
一方、サンチップスのエコ袋は、ポリ乳酸というとうもろこしを原料とする素材で作られていて、微生物が生息するコンポスト(堆肥化)に適した暖かい場所に置いておけば、14週間で分解されます。
これは、オレンジの皮が分解されるのと同じ期間だそう。
ただし、堆肥化に適していない場所に置いておけば、ビニール袋よりは早く分解されますが、14週以上の時間がかかります。
ゴミを焼却せずに埋立てるアメリカでは、生分解性は環境負荷を削減するための重要な要素なのです。

ということで、アメリカの企業や消費者の環境に対する考え方、ソーシャルネットワークの影響の大きさを感じさせられた一連の騒動も、ようやく収束に向かいつつあるようです。

これを教訓に、サンチップスだけでなくすべてのスナック菓子がエコ包装を採用するようになることを期待したいものです。

FritoLay, SunChips
ウエブサイト:http://www.sunchips.com/index.shtml

2011/03/03

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