古きを見直すチャンス!
本当のエコ・キッチンウェアとは?

Eco Kitchenware

寒い日々がまだまだ続く真冬のニューヨーク。
こういう時はじっくり煮込んだシチューや具だくさんのスープが恋しくなります。
そんな時に活躍するのが鍋。
エコ・ブーム高まる近年では、鍋ひとつとっても、いかに省エネで環境と人にインパクトのないものがよいか、といったあたりが消費者の焦点となってきています。

テフロンやフッ素樹脂加工に代表される焦げつき知らずの表面加工は一世を風靡しました。
熱伝導率と保温力に優れた銅。手入れも簡単で頑丈なステンレス。
時代のニーズを受け、キッチンウェアのハイテク化はさらに進み、今度はステンレスをさらに越える強度のアルマイト(航空機体を作るために開発された素材)などまでが登場。
最近ではグリーン・パンなる“エコ・キッチンウェア”も登場。
高温状態での利用時に発生する害を指摘されたテフロンに代わり、セラミック・コーティングを採用。アメリカ国内でも各小売店に流出し、ネット上では発売と同時に売り切れるなど、実に熾烈な市場競争が繰り広げられているのです。

Eco Kitchenware

最新素材を用いたキッチンウェアが次々と登場し、エコとテクノロジーの間でせめぎあいを続ける一方で、古くから慣れ親しんだ素材も見直されてきています。
それが鉄(鋳物鉄)なのです。
現代の鉄製キッチンウェアで有名なものは、鉄の表面にさらにホーロー(ガラス質)をコーティングしたフランスのル・クルーゼ社、アメリカのロッジ社の商品など。
ずっしりとした重量感が取り扱いの難点とされることもあるようですが、その魅力がまさり、リバイバルのごとく鉄鍋ファンが増えています。

鉄は熱伝導に優れているため、とろ火でも鍋全体に均等に熱が広がり、むらなく素材を調理できるのが最大の魅力。さらにガラスと同じ特質を持つホーローを利用した場合は、素材の風味を逃がしません。長い歴史が人体や環境への影響も明らかにしているので、ユーザーにとっても安心です。
最小エネルギーで最大の効果を発揮。鉄が見直されつつあるゆえんです。

近年では人気料理番組を通じてさまざまなセレブ・シェフたちがホーロー鍋の魅力をうったえ、独自の商品をよりリーズナブルな価格で紹介するなど、一種のリバイバル・ブームが起きているのです。

1つの鍋を大切に使い、次世代に美味しい料理のレシピといっしょに受け渡していく。
新しいものを積極的に受け入れる寛容なマインドも重要ですが、鉄が築き上げてきた歴史と信頼のように、古の知恵に感謝し、それを大切に次世代に受け継いでいくのも、人と環境にやさしいサスティナブル・スタイルなのではないでしょうか。

 

【 セレブ・シェフがプロデュースするホーロー鍋ブランド 】

マーサ・スチュワート (By Kmart社)
レイチェル・レイ・クックウェア(By Anolon社)
マリオ・バタリ(By Copco社)

【 アメリカで人気のホーロー鍋ブランド 】

ル・クルーゼ社(Le Cruset)
フランス発。世界的人気のホーロー鍋
http://www.lecreuset.com/

ストウブ社(STAUB) フランス発。
ル・クルーゼとは異なる男性らしいデザインが人気
http://www.staubusa.com/

ロッジ社(Lodge Manufacturing Company) 
1896年創業のアメリカの鉄製鋳物調理器具メーカー
http://www.lodgemfg.com/

【 最新テクノロジー型ブランド 】

GreenPan TM 
http://www.green-pan.com/

by Kayo Ogawa

2009/01/05

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