ソイプリント SoyPrint

SoyPrint
(Images Courtesy of SoyPrint)

レーザープリンターのトナー(インク)は何でできているか、ご存知ですか。

一般的には、石油由来の樹脂からつくられています。

石油は限りある化石燃料なので、いつかなくなる日が来ます。
なくなるのはまだ先でも、残り少なくなれば価格が高騰します。
そのため、石油の使用量を減らそうと、多くの企業がさまざまな努力をしています。

印刷業界も例外ではありません。

通常、1つのトナーカートリッジには1パウンド(454g)のトナー(粉状インク)が入っています。
この1パウンド分のトナーを作るために、2リットルの石油を必要とします。

アメリカでは、1年間に1億個以上のトナーカートリッジが消費されているので、年間1億パウンド(5万トン)ものトナーが消費され、その生産に年間2億リットルもの石油が使用されていることになります。

そのうえ、石油由来のトナーは、VOC(揮発性有機化合物)が発生し大気が汚染される可能性がある、生物分解されないので埋立地に残る、紙とインクが分離しにくいため紙をリサイクルする際に処理が大変、などさまざまな問題があります。

インクの原料に大豆を使用

そこで、印刷業界では、石油を使わないトナーの開発が進んでいます。

そのひとつが、プリンター・リカバリー・コンセプト社が開発した、大豆を原料とするレーザープリンター用トナーカートリッジ、ソイプリント。

ソイプリントは、トナー原料に大豆を使用しているだけでなく、リサイクルカートリッジを使用しています。

大豆原料のインクを販売している業者は他にもありますが、カートリッジの形で販売したのは、ソイプリントが初。

さまざまなメーカー・機種に対応したカートリッジを用意しているうえ、通常の石油由来のトナーカートリッジと変わらない価格で提供しているので、気軽に大豆原料のソイインクを利用することができるようになったのです。

ただし、ソイインクは通常のインクより乾きが遅く、100%大豆を使用しているわけではないので(実験段階では成功していますが、まだ流通はしていません)、完全に生物分解されるわけではないなど、まだまだ改良点はあります。
それでも、地球と人間が共存できる社会へ向けて、一歩前進したことは間違いありません。

ソイプリントは、現在、100%大豆原料のトナーカートリッジやインクジェットプリンター用カートリッジの開発も進めているそう。
日本での展開も検討しているそうなので、ご興味のある方はソイプリントのサイトから問い合わせてみてください。

SoyPrint
ウエブサイト:http://www.soyprint.net/

2011/12/23 改訂
2008/09/02

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