遺伝子組み換え食品、本当に必要?Vo.2


Vol.1 の続き

環境への影響

環境への影響も懸念されます。

開発企業は、強力な有毒性を持つなどの突然変異が起こる可能性はないとしています。
しかし、遺伝子の仕組み自体が完全に解明されていないのですから、組み換えた遺伝子が生物の体内でどのように作用するかは、誰にもわかりません。

遺伝子組み換え種の花粉が虫や風によって運ばれ、他の植物と交雑し、除草剤や害虫に強い植物が生まれることで、弱い種が淘汰される可能性もあります。
自然の生態系は、さまざまな種が存在することでバランスがとれています。
特定の種だけがはびこるとどのような影響が起こるか、わかりません。

イギリス政府の支援により行われた大規模な農場実験では、遺伝子組み換え種を植えた後、農場から蝶や蜂の個体数が減るなど生態系の変化が見られたという結果も出ています(Nature)。

オーガニック農家への影響もあります。
USDAオーガニック認証では遺伝子組み換え種子の使用が禁止されていますが、オーガニック農家の近隣で使用された遺伝子組換え種子の花粉が飛散し、オーガニック作物と交雑すれば、その農場の作物はオーガニックとして認められなくなります。
そのため、オーガニック関連団体は遺伝子組み換えに強く反対しています(Just Label it)。

アメリカの実態

科学の発展・研究は、人類にとって大切なことでしょう。

しかし、長期的な影響が十分に調査研究されていない状況で、人工的に遺伝子操作された食品が流通するのは、正しいことなのでしょうか。

少なくとも、遺伝子組み換え食品を避けたいと考える消費者のために、どの食品が遺伝子組み換えかを表示する必要はあるはずです。

アメリカは、世界の遺伝子組み換え作物生産のシェア45%を保持する、遺伝子組み換え大国です(ISAAA)。
大豆、とうもろこし、コットン、菜種、アルファルア、てん菜、パパイヤ、スクォッシュなど74の遺伝子組み換え種の商業利用が認められています(Congressional Research Service)。

特に大豆、コットン、とうもろこしの普及率は高く、2011年に米国内で作付けされた大豆の94%、コットンの90%、とうもろこしの88%が遺伝子組み換え種子です(USDA)。

そして、アメリカでは、組み換え前と栄養素が著しく異なるもの(高オレイン酸大豆など)を除き、遺伝子組み換えであることを表示する義務はありません。

それどころか、遺伝子組み換えでない食品に「遺伝子組み換えでない」と表示するためには細かいガイドラインに従わなければならず、実質的に不可能な状況です(米食品医薬品局FDAのサイト)。

日本の実態

日本では、遺伝子組み換え作物は商業的には栽培されていませんが、実験的な栽培は行われています。

また、大豆、とうもろこし、じゃがいも、菜種、コットン、アルファルア、てん菜の7作物・32加工食品群における遺伝子組み換え製品の流通・販売が認可されています(農林水産省)。

つまり、輸入品として、遺伝子組み換え食品は広く流通しているということです。

表示に関しては、一部義務化されてはいますが、例外規定が多くあります。

たとえば、しょうゆや油類(マヨネーズなども含む)、コーンフレーク、コーンシロップ(ジュースなどに使用されています)、砂糖(てん菜糖)などの加工食品は、遺伝子組み換え種子であることを表示しなくても良いことになっています。

その理由は、”組み換えられたDNAやこれによって生じたたんぱく質が、加工工程で除去・分解され、最新の検出技術によってもその検出が不可能”なためとされています(消費者庁)。

また、原材料を表示するスペースが小さい場合(容器包装面積が30c㎡以下)や、家畜の餌として遺伝子組み換え作物が使用された場合も、表示しなくても良いとされています(消費者庁)。

日本は、家畜飼料用とうもろこしの88%をアメリカから輸入しており(農林水産省)、アメリカ産とうもろこしは88%が遺伝子組み換え種子なので(USDA)、とうもろこしを餌とする家畜から採れる牛乳や卵などは、遺伝子組み換え種子が使われている可能性が非常に高いと考えられます。

広く普及した理由

遺伝子組み換えに関しては、推進派・反対派ともに、さまざまな意見があります。
しかし、現在流通している遺伝子組み換え種子の大部分を占める除草剤耐性・殺虫性の遺伝子組み換え食品は、消費者にとって何もメリットのないものです。

にもかかわらずここまで普及してしまったのは、大企業と政府の癒着が大きな要因とされています。

現在、世界の植物種子の開発販売は、モンサント、シンジェンタ、デュポン、ダウ、バイエル、BASFの6社の寡占状態になっており、これら6社で遺伝子組み換え種子のライセンスを相互に持ち合っています(Michigan State University)。

特にモンサント社は、世界の遺伝子組み換え種子のシェアの大部分を占めており、同社と米食品医薬品局(FDA)や農務省(USDA)との間で頻繁に人事交流が行われているため、同社の遺伝子組み換え製品が認可されやすくなっているとされています(The World According to Monsanto )。

そして、十分な審査もなく認可された組み換え種子が、外交判断により、日本を含む外国に輸出されているのです。

また、同社は、遺伝子組み換え種子の特許を持っているため、同社の種子を自家採取して翌年使用したり、近隣農家からの影響で知らずに栽培している農家に対し、特許侵害で訴訟を起こすなど、攻撃的な姿勢でも知られています(Future of Food )。

人口交配との違い

遺伝子組み換えは、これまで長きに亘り行われてきた人工交配による品種改良の延長だとする意見もありますが、両者は大きく異なります。

人工交配により起こる遺伝子の変化は生物自身の内部で自発的に起こるものですが、遺伝子組み換えは人工的に組み替えるので、生物体内でどのような反応・影響があるかは誰にもわかりません。

また、人工交配では同種の生物間でしか交配できないのに対し、遺伝子組み換えでは、自然界ではありえない異生物同士の遺伝子組み換えが行われています。

遺伝子組み換えされているのは、野菜だけではありません。
遺伝子組み換え魚や、遺伝子組み換えホルモンを投与された乳牛などもあります。

こうした食品が知らない間に私たちの体に入り、徐々に体内を蝕み、いつか大きな病気が発生することになるかもしれません。

解決策

私たちは、このような食品を本当に必要としているのでしょうか。

もし必要ではないと思うのであれば、遺伝子組み換え食品を購入するのをやめればよいのです。

遺伝子組み換え作物を避ける方法は、オーガニックや非遺伝子組み換え認証(Non-GMO Project)を得ている製品を選ぶことです。

そして、遺伝子組み換え食品はいらないと、小売企業やメーカー、政府、政治家に伝えることです。

企業は、売れない商品は作りませんし販売しません。
私たちが買わなければ、市場から淘汰されるはずです。

もし、科学の発展のために遺伝子組み換え技術は必要と思うのであれば、完全に安全性が確認されるまで、すべての遺伝子組み換え食品に対して表示をしてほしいと企業や政府に伝えましょう。

社会を変えるのは、政治家や大企業ではありません。
私たち自身が、正しい情報を知り、適切に行動することで、自分の安全や次世代のために地球環境を守ることができるのです。

Just Label It!
ウエブサイト:http://justlabelit.org/

2013/06/04 訂正
2011/10/13

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